[ブログ] 「大学の歴史」から「これからの学び」を考える

#立教大学 #舘野泰一 先生のブログより

「大学の歴史」から「これからの学び」を考える | tate-lab

最近あらためて「大学の歴史」に関する文献を読んでいます。大学の歴史を振り返ることは「いまの大学」や「これからの大学」を考える上で有効でしょう。 今日はそこで学んだことを少しだけ書いておこうと思います。ブログ&手元に本を置いて書いているわけではないので、ざっくりになりますがそのあたりはご了承くださいませ。今回の内容は主に吉見俊哉先生の本「大学とは何か」がベースになっています。全部ではないですけどね。 大学の歴史について非常にざっと分けるならばこんなかんじになるかと思います。 大学の誕生(12世紀の西ヨーロッパ) 大学の拡大(14世紀から15世紀) 大学の一時的衰退(16世紀から17世紀) 大学改革による再興(17世紀から19世紀) 大学の拡張(20世紀以降) ブログなので非常におおざっぱに書いていますが、だいたいこのようなかんじではないでしょうか。時代の流れの受けて、「大学」の持つ意味は少しずつ変わり、現在のカタチにつながってきています。 ▼ あらためて歴史を振り返ると「大学って昔はこうだったんだ」といったものや「昔もこんな問題で悩んでいたのね」という驚きがあります。 例えば、12世紀の「大学のはじまり」を考えてみましょう。もともと大学は「国がお金をたててつくったもの」というよりも「教師、そして学生たちの組合」というところからスタートしました。 面白いのは12世紀当時の大学は建物を自前で持っているわけではなく、都市の建物や施設を間借りして学問を行っていたそうです。また、当時の学生は新しい知識を求めて都市から都市へと移り住みながら遍歴をし、数多くの大学に通って学識を深めていたそうです。 これらのイメージはだいぶいまの大学と異なりますよね。むしろ私はこのときの「大学の誕生」のような風景が、いま大学以外の場で起こっているように思いました。 「教え手」たちが自由に集まり、「建物」はもたなくても「空間」をかりて学びの場をつくる、そして、「学び手」たちは自由に都市を移動するというのは、なんとなく「いまっぽい」かんじもしませんか?

tate-lab:立教大学経営学部 舘野泰一

参考図書:吉見 俊哉.  大学とは何か.  岩波新書. 2011

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